「助産所」での出産をどうしても実現したかった奥さん。 打ち砕かれる寸前で持ちこたえたのは強い「意志」のお陰!? 「思考の現実化」を目の当たりにしてしまった話。
今日は 2019.8.16 の記事 奥さんが出産に対してこだわったこと。 チョイスしたのは「助産所」での「自然分娩」。 - 琥太朗ブログ の最後の方に書いてた⇩について書こうかな...と。
ということで、我が愛娘、「陣痛」が始まってから34時間という長丁場を経てからですが……無事に「助産所」で生まれた訳です。
実はこの34時間ってのは、奥さんの理想が打ち砕かれるなかなかの瀬戸際だったんですが、上に書いた「有事」になりそうな事態に……この記事に同時に書きたかったんですが…長くなり過ぎたのでその辺りはまた別記事で書こうかと思います。
では、状況、経緯などを交えて......男目線ですし、出産の詳細については個人差もあるかと思います。あくまで僕&奥さんの一つのケースとして...。
まず、僕&奥さんコラボの初めての子どもであり、唯一無二の正真正銘の一人娘の出産予定日は2003年11月8日でした。
「おしるし」という前触れもありつつ、10日の真夜中…てか早朝に「破水」してから実に34時間という超難産の末、実際に生まれたのが11月11日の13時46分でした。
2019.8.16 の記事の通り、助産所での自然分娩に向けてシミュレーションもバッチリ、準備万端。順調に進んでいました。
「満月や新月の時に出産が多くなる」といったオカルトとも採られがちな要素なども調べたりし、奥さんとの話し合いで決めていた僕の出産立ち会いのために、予定日である8日に最も近い満月日の9日を挟んだ前後1週間を有給休暇で埋め尽くして「いつでもオッケー!」という状態にしていました。
予定日は満月前の8日でしたが、人間は自然と同調しているとその当時からほとんど確信のように思っていた僕&奥さんは満月の9日から本格的に始まるんだろうな~とは正直感じてました。
予定日の8日が予想通り何事もなく過ぎ「そろそろやな~、そろそろ来てもらえると休みを取った甲斐があるんやけどな~」とか、奥さんのお腹の中の愛娘に「もういつ出てきても良いよ~」と二人して話しかけながら、満月である9日夕方頃から陣痛を促すと聞いていた散歩に出掛けたりして、今か今かと待ちわびていました。
そして、9日の夜「今日じゃないのか~」と諦めたようなちょっと残念な氣持ちで就寝......。
ところが…
日付が変わった10日の夜中4時頃、奥さんに「破水したよ」と落ち着き払った様子で起こされました。
シミュレーションしてた通り、ということで奥さんは本当に冷静で落ち着いてましたw。
そのお陰もあって僕も落ち着けた...てか嬉しい氣分が高揚して落ち着きが無くなるのを逆に抑え込む感じで...冷静に冷静に...助産所までは車で30分程の距離なので、運転手である僕が一番氣を遣ったのが「慌てることなくとにかく冷静に平常心で運転すること」。
その辺の氣の持ちようもシミュレーションしていたので、何もかもがホントに順調に進んでいました。
助産所に無事に到着し、「破水」した件を伝えたら「じゃ、すぐに来て下さい」と受け入れ準備を整えていてくれていた助産師さんの診察を受けます。
順調な出産になる旨のお墨付き...「数時間で生まれるよ~」といった感じの言葉も貰い、トントン拍子でことが運んで、僕も奥さんも「もうすぐ愛娘に遭える!」という嬉しさで一杯になっていましたw。
で、段々と陣痛の間隔も短くなって「いよいよかっ!?」 と思うも、陣痛間隔が長くなって......次回に持ち越しのお預け。また間隔が短くなってきて「次こそは生まれる !?」
......まだ。
この時はまだ助産師さんは自分の経験上慣れているのか「ま、ま、ま、よくある事」みたいに全然動じていませんでした。余裕です。恐らく2、3時間くらいで生まれてくると踏んでいた助産師さんだったと思います。
ところが、何回繰り返したのか分からなくなるくらい...この行程を何度も何度も重ねて.........あまりに想定外の長さに付きっきりだった助産師さん自身も時折休憩が必要になってくるくらいの長丁場に突入します。
この間、当然陣痛は続いていて奥さんはめちゃくちゃ痛かったはずです。でも、多分赤ちゃんに会う為の当然の痛みと心底思っていたんでしょう...時折笑顔を見せる余裕もあります。
後で聞いた話なんですが、助産師さんの経験上、僕の奥さんは痛みに非常に強いタイプらしく、普通なら痛みで氣絶してもおかしくない位の長時間を耐えていたとのこと。
陣痛の繰り返しが24時間を越えて、あまりの長丁場に助産師さんも超難産(難産は15時間くらいを越えることを指すそうです)を覚悟して「いつまででもお付き合いしますよ」と有難く励みになる言葉。
ついでに「旦那さんも寝てないから疲れてるでしょ!何か動きがあったら直ぐに起こしますから、少し寝て下さい」って。
「いや、奥さんがこんなに苦しんでるのに、僕だけ寝るなんてっ!」と思いつつも、確かに寝てない疲れは出始めてる訳です。
助産師さん更に「何かあった時に男の人の力も必要になるかも知れないので、少しでも寝て体力回復しておいて下さい」と。
奥さんも苦しい陣痛にも関わらず無理した感じの笑顔で「そうしてっ!」って。
……お言葉に甘えました。
隣の部屋ですぐに寝落ちたと記憶してますw。
因みにここの助産所は一軒家をそのまま出産場所として利用しており、助産師さんが自宅から足を運ぶ感じ、食事の準備や産後ケアの際も通いで行われ、出産する側の家族は何日間か我が家さながらにプライバシー保護観点にも配慮された環境で過ごすことが出来るようなになっていました。
で、何時間眠ったのか定かではないんですが、ふと目が覚めて…働いていない頭なりに状況を整理すると「あっ!赤ちゃん!」と思い出して隣の部屋の奥さんの様子を伺いに…。
「もしや、もう生まれているんじゃ...」と思いながら覗くと、寝る前と同じ状況でした。変っていたのは更に疲れ果てた奥さんの表情のみ。
何度も何度も繰り返し、耐えているのに...なかなか会えない、なかなか生まれない。
「破水」してからあまりに長い時間が掛かり過ぎると、合併症!?感染症!?…どっちやったか覚えていないけど、なにやら危険が迫るらしく、病院での出産に切り替える必要が出て来るとのこと。
出産前、助産所での何度かの診察、面談の中で、奥さんにとっては最悪のケースである助産所での自然分娩が叶わなくなることも有りうることは聞いていたので知ってはいたんですが、ここへ来てのまさかのシミュレーション外の危険が近付いて...。
陣痛が始まってから1日以上の時間が経ってもまだ生まれて来ませんでした。
既に日付も変わって11日に突入していて、ついに助産師さんから「もうあと1時間で生まれなければ、病院へ」と、最後通告がありました...。
多分、助産師さん、リスクを考えると諦めざるを得なくなったんだと思います。
自然分娩にこだわる奥さんの話を聞いてる分、助産師さんも伝え辛かっただろうと思います。
その最後通告の後、覚悟を決めてもらうためだと思いますが、僕&奥さんを二人だけにしてそのまま食事休憩という理由付けで部屋を出て行きます。
奥さん泣き崩れます...。
涙が土砂降り状態のボロ泣きです...。
陣痛まではホントにシミュレーション通りに順調に進んでいた訳です。
相当なはずの痛みにも、その後の自然分娩達成の歓びだけを糧に本当に氣丈に良く耐えていたんです。
なのに、ここへ来て、願いが叶わないかも知れない…描いていた理想の自然分娩で生んであげられない…という罪悪感が入り交じった感情も相まって、叶いそうにない現実がすぐそこに迫ってくる訳です。
痛みに耐えてきて積もりに積もった疲労と精神的に参ってしまうような残り時間の宣告で、心が折れて…ていうか打ち砕かれて、もうボロ泣きです。
僕ももう見てられなかったっす…ホントに。
若い頃から蓄積したきた知識から、我が子は絶対に自然分娩!とこだわって来て、念願が叶う直前に打ち砕かれるって…子どもに対しての守ってやれない罪悪感も感じてのボロ泣きな訳です。
そんな姿を見てて……
僕が出来ること……普段奥さんの前ではあんまり「やる氣」「本氣」ってものを見せたりしないようなシャイで照れ屋で「真面目」をちょっぴり恥ずかしく思うような、いつも冗談で濁す的な天の邪鬼な(しつこいw!?)僕ではあったんですが、「こここそが出番だ!」とここで出なかったらいつ出るんだと思ってしまいました。
何の根拠もなかったんですが、病院ではなく、ここ助産所で自然分娩をさせてやる!出来る!って確信に近い氣持ちがムクムクと沸いてきて…奥さんに「絶対、ここで生むぞっ!」って。
ホントに何の根拠もなかったんですが断言していました。
その時は必死だったんで氣付いてなかったんですが、後で思い知らされることになったのが、何の根拠もない自信というか思い込みって大切なんだということ。より強い意志が現実を引き寄せる...。こういうのを「思考の現実化」って言うのでは !? 本当だったんや!ってw。
しかも、奥さんとの二人での意志表明ということで1+1が2以上になる相乗効果もあったんだろうな、とも。同じ方向を向いていたら一人より二人、二人より大勢の方が...より思考の現実化は起こりやすいんだろうな、と。
で、「絶対に助産所で生む」断言を具現化する方法として、弱かった陣痛を強い陣痛に変えるべく、奥さんと僕が向かい合ってのスクワット運動をひたすら実践…いや、この方法で陣痛を促進できるって助産師さんに教わっていたのでw。
僕の役目は、痛みと疲れそして精神的にも打ちひしがれて、自力では立つこともままならない奥さんがスクワットが出来るように身体を抱きかかえての補助役。この立ったり座ったりが強い陣痛につながるんだとか…。
時間が迫るなか、奥さんも折れていた心を何とか立て直して、最後の賭けに乗ってくれました。幸い睡眠をいくらか摂って少し回復していた僕は補助役として適任な訳です。
まだ泣きながらスクワットする奥さんを励ましながら、何回も何回も…。
その内「来たかも…」と奥さん。
慌てて助産師さん呼び戻しました。
半ば諦めていた助産師さんに、スクワットしてた旨を説明し、今まで以上に強めな陣痛が来てることを確認してもらうと、助産師さんも「行ける!」って。
最後のチャンスを生かすべく、少々荒業を…息むと同時に助産師さんがお腹を押す技を奥さんと僕に説明…。
奥さんにかなりの痛みが伴うらしく、僕が奥さんの背中に座り、羽交い締めにして、お腹を押す時に奥さんが本能的に痛みを避けてしまうのを防ぐ役。力仕事。僕が適任。スクワットの補助役といい、支える役といい、罪悪感を持ちつつも寝たことによる体力回復がここへ来て功を奏した訳です。
そして、息むと同時にお腹を押される奥さん、
「んんあぁ#⭐%っ@~🔘△っ~!」
と、今まで聞いたことないような叫び、というか呻き声を数秒間発した後……
ついに…ついに赤ちゃん出てきました!
今まで奥さんの前で、涙なんて見せたことのない、変な男のプライドみたいな感じでクールを装っていた僕が……込み上げて泣きじゃくってました。奥さんに「ありがとー、よく頑張ったな~!」って素直に言ってました。鼻も垂れてたはずw。
嗚咽ってやつだったと思います。奥さんの前で泣いたのは後にも先にもこれ一度だけです、今のところw。
そういえば、生まれた瞬間の泣きじゃくる僕を見て、奥さんが不思議そうに「意外~!」「初めて見た~」って感じの顔をしていたのを憶えてます…。
尚、現在は涙腺も緩み切った年齢になってしまい、映画でも嗚咽に近いような泣きが入る時がありますが、愛娘が生まれた瞬間にこの泣きのスイッチが入ってしまったんだと思います。
ま、奥さんと一緒に映画観ていて、やばい時は頑張って誤魔化しますけど...。
そして、忘れもしない...誕生した瞬間の我が愛娘、薄暗い部屋ではあったにも関わらず、初めての現実世界の眩しさに片目を閉じ、左目だけ開けて、僕を見てました。
「この世に出てから初めて目を合わせてくれたのがお父さんなんだぜぃ!」ってよく愛娘に自慢してますw。
生まれたての赤ちゃんの視力ってほとんど無いらしいんですけどね……「見てた!」と僕は思っていますし、言い張ってますw。
因みに、病院では煌々と照らされた明るい部屋での出産がメジャーかと思います。胎内から出てきたばかりの赤ちゃんには灯りが眩しくて刺激が強すぎて、ビックリして赤ちゃんは泣くんだという見方があります。
愛娘が生まれた助産所はその辺にも氣を遣ってくれていて、昼間ではありつつも暗室を確保できるカーテンで薄暗くしていた部屋で誕生した我が子は全く泣かなかったんです。これを聞いて心配になる人もいるのでは !? でも全く心配していない僕がいました。
赤ちゃんは「泣くことによって呼吸を始める」って話はよく聞きます。泣かないと呼吸していない的な。でも、眩しすぎてそれが嫌で泣くっていう捉え方、見方の方が僕にはしっくり来ていたので...。
ということで、なんとか「助産所」での「自然分娩」で我が愛娘誕生しました。
最後に荒業があったので完全には「自然分娩」とは言えないかも知れません。
が、病院での陣痛促進剤、鉗子分娩、赤ちゃんの頭を引っ張る…は回避出来た訳です。
余談になるかもですが、34時間という超難産の原因…我が愛娘、頭が大きくて出辛かったらしいですw。
愛娘の頭囲は35㎝でした。
新生児の平均は男児33.5㎝、女児33㎝だそうで…。
お母さんが自然食、穀物菜食をしていると、頭の大きい、脳みそが大きい、頭の良い子が生まれるってのを聞いたことがあったので、なるほど!ってw。
愛娘のイルカ好きは、もしやこれがルーツなのかな...。
そんなこんなで無事に「助産所」で生まれた愛娘、元氣に生きていますw。
10日早朝に始まった陣痛...「難産」を利用してかそうでないのかは分かりませんが、この世に出て来たのが11月11日。1が四つも!なんか意味ありげですよね !?
わざわざ11に合わせてきたんじゃ...ってスピリチュアル的にも深読みしてしまいますw。
旦那さんが出産に立ち会うってのには賛否両論あるとは思いますが、僕は断然「立ち合い肯定派」です。あの感動は一生に一度あるかないかの貴重な経験だと思います。
...子ども二人とか三人とかいる人はその分、感動も増えてたのかな !?
だとしたら、もう一人...w。
34時間掛かった出産の後、しばらくしてから奥さんにそんな話をしてみたら「もう無理っ!」って言ってましたw。ですよね~!
今日もありがとうございました。