琥太朗ブログ

色んなことをちょいちょいスピリチュアルな視点で捉えてみる話…てかオカルト的…陰謀論的な話とも云う。

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「はじめに言葉ありき」…...は神からの「贈り物」それとも「重荷」!? ジョン・ダーントン著「ネアンデルタール」 

 人間 と 動物の違いは!?と聞かれた時、何を思いつきますか!?

 

 二足歩行する。

 道具を使う。

 火を利用する。

 言葉を使う。

 などなど、色々出てきますよね。

 

 この中の言葉を使う

 

 言葉があることによって、意思を伝えたり、コミュニケーションを図ったり、口伝や文字によって歴史を後世に伝えることが出来たり、と人間ならではの特徴ではないでしょうか。

 そして、万物の霊長としての自負、優越感も手伝い、優れた能力だと信じて疑わないのが普通の見方かと思います。

 

 ただ、これが逆に「良くない方に作用してしまう」という見方も出来てしまうんです。

 

 この事について「なるほど!」って感心しながら読んだ本がありました。

 

 

 日本での初版が1996年11月20日ということで、今から20年以上も前の作品です。

 ネアンデルタール人が現在も人類(ホモ・サピエンス)から隠れるように生きている、という物語で、その能力というかコミュニケーションの方法が人類とは全く異なる。人類は言葉が発達したが故に、思考の全てを相手に完全に伝えることが出来ない。

 

 登場人物のセリフが解かりやすいと思いますので本文から引用します。

 『哲学はペテンだ。ごまかしだ。思考そのもの、あるいは思考というものについて考えることが間違いだというんじゃなく、問題は言葉にある。言葉というのは本質的に制限のあるものだ。言葉で思考をとらえようとしても、ほんの一部をかすめることしかできん。だから言葉は嘘になる。言葉は神からの贈り物ではなく、人間に負わされた重荷なんだ。別の回路を使った本当のコミュニケーションを一度経験してみれば、このことがよくわかるはずだ。』

 

 物語内の設定で、ネアンデルタール人は相手の視覚に入り込み、相手の見ているものを見ることが出来、それで言語を必要としなかった、とあります。

 ある種のテレパシーですね。

 相手の見ているもの、見えるものが見えるというのは、「個」というものがなくなり集団の中に融合していることになります。精神は共同体に属し、個性も、自意識も、自分もない。心が集合意識の中にあって、集団の利益の為に全体が行動することになる、と。

 「集合意識」「集合的無意識」というのは、全ての人間の意識は深層部分では繋がっていて共有している的な...現代の人間は顕在意識においては、それぞれが個々に意識を持っていて、個々に切り離されていて、他人同士は別々の、自分だけが知っている内緒の部分を持ち得る…と思っているけど、実は潜在意識やそれ以上の集団意識では繋がっているということを忘れてしまっているだけ、ということ。

 「魂磨き」の観点から、それぞれが「個」として切り離されていた方が、エゴも作用してそれぞれの役割を演じる事ができて、効果が得やすい、という三次元物質主義の地球の特色として設定されている訳です。

 

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 僕は魚や鳥の群れがぶつからずに方向転換するのは集合意識が作用しているのでは!?と思ってます。

 

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 聖書の「ヨハネによる福音書」の冒頭に

 「はじめに言葉ありき。言葉は神と共にあり、言葉は神であった。」 

 とあるのを、有名な言葉なので知っている人も多いのではないでしょうか。

 

 物語中、こんなセリフも...

 『はじめに言葉ありき』というのは意思疎通が出来にくくする重荷なんだ。アダムとイブが食べた知恵の実は、互いに自分の思考を隠し、騙して、エゴを押し通すという悪知恵の実......  

 

 言葉があったからこそ、逆に意思疎通を不透明にすることが出来、あやふやにし、誤魔化し、惑わし、人を欺くための武器となり得た、と。

 言葉を巧みに駆使して、他人を踏み台にしてでも自らの欲求を満たす道具として利用する。

 

 考え方によっては、「贈り物」とも「重荷」とも取れるとは思うんですが、創造主である神は、地球上の人間の魂磨き上達の効果的な環境として「言葉」を与えた、と云う見方が出来るのではないでしょうか!?

 一見、万物の霊長としての優越感を与えたと見せかけて、実はエゴを利用した「愛」の再発見手段……。

 「個」を確立したと見せかけて、陰と陽の立場にブレやすい環境作り。から〜の、「善玉」体験、「悪玉」体験の両端を実体験することによる魂磨き。

 

 さすが、超絶ジーニアス「神」!って思いませんか!?

 

 スピリチュアル界では「人間はドラマを演じる役者」と表現されることもあります。 ルールを熟知した神が脚本家、地球が舞台で、人間一人ひとりが役者としてそれぞれの役を演じている......。

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 「言葉」を使う能力...それが「贈り物」なのか「重荷」なのかは分かりません。が、神・創造主が授けた「言葉」を使う能力と云うものをどう捉え、その意図を汲み、万物の霊長としてどのようにその責任を果たして行くかをもう一度考え直す必要が人類にはあるんだろうなぁなんて思った次第です。

 

 随分前に読んだ本で、最後どうなったか、正直憶えてませんがw、この「言葉」に関する部分はずっと印象深く残ってて、今回記事にしてみようと思いました。

 ともあれ、読み終わった時の満足度は高かったと記憶しているので、一度読んでみるのも良いかも知れません…無責任w。

 

 

 この作品、映画化決定!なんて謳い文句もあったんですが、未だに実現していません。

 ……もしや「真理」をかすめた為に潰された…的な!?陰謀論好きな僕の性分が妄想を掻き立ててしまいます…www。

 

 

 参考までにネアンデルタール人について...

  • 約40万年前に出現し、2万数千年前に絶滅したとみられる。
  • ヨーロッパを中心に西アジアから中央アジアにまで分布。
  • 火を使用していた。
  • 脳容量は現生人類より大きく、男性の平均が1600cc(現代人男性平均1450cc)。
  • 脳頭蓋は上下につぶれた形状。
  • 後頭部に特徴的な膨らみがある。

  f:id:kacys2850:20180824122758j:plain現生人類(左)とネアンデルタール人(右)の頭蓋骨の比較写真

  • 絶滅の原因は謎。クロマニヨン人との暴力的衝突説、獲物の競合で段階的に絶滅説。ホモ・サピエンスとの混血により、吸収されてしまった説。噴火の影響による絶滅説など諸説あり。 

 

 未だ解明されていないことも多く、研究によって、文化、進化、絶滅などの説も更新されているようです。 

 

 人類創生などに興味のある人はネアンデルタール人について調べていくと、いろんな所へ繋がって行ったりして面白いかと思うのでオススメです。

 

 今日もありがとうございました。